34.堕落会で新年会をする

4年前に堕落会という会を作った。

大学の映画サークルで活動していたときに出会った仲間2人と私を入れて3人の小さな集まりがきっかけで、坂口安吾の「堕落論」から捩って「堕落会」と名付けた。名前の通り、みんななにかしら堕落している。大学を中退してバーテンダーを目指すチャラ男と、大学生活はかなり真面目で内定も決まりインターンに出ている一見優等生なサイコパスと、わたし。

人間って全然綺麗でも単純でもなくて、外面がどうであれ内面はどろどろと処理出来ない汚物みたいなものが溜まってはどこかで発散して生きているんだと思う。それが本来の人間のはずなのに、社会的に生きるにはそれを隠しながら生きるしかないから現代の人間はみんな歪んでいる。自分の歪みを許容できずに暴走してしまう人間も、少なからずいる。人間は汚くて複雑だということを理解して自分と向き合わないと、理性的に自分を動かせないんだ。理性的じゃない人は、他人に対しても歪みを許容できない。

理性的に堕落している状態は人間らしいと思う。人間は考えることができるから人間だし、言葉も使うことができるから人間だし、自分を律することができるから人間だ。自分を理解できずに、衝動に任せて暴走してしまうような人間は、どちらかといえば動物に近い。自分も他人も、みんな汚物を抱えていて、それをどうにかして発散させながら生きているということを理解する。これが、人間らしく生きる方法の一歩目だと思う。

堕落会は、自分のダメなところと向き合って理解して、酒を飲みながら汚物をぶつけあう人間らしい会合です!