オハナシがはじまりそう。
いつもは忘れている本当、私達はあらゆる人間に囲まれながらあらゆる人間の存在を殺して生きている。深夜バス内、全く閉鎖された空間と時間の中に何十もの人生が生きているけれどそれを知ろうともしない、私は七尾旅人を聴いて自分の言葉を作る。不思議なことだ、交差し得ない数多の人生が集結し閉鎖された時間と空間の中で私は普段よりも自分に籠った世界を作ることができる。私のためだけに鳴っている心地よい音楽を認知できる。私の手を握る優しい温度を繊細に感受できる。私の感情の揺らぎを感じ取った心臓は心拍数にそのまま影響する。懐かしい。