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#58 アカギ読む

友人と麻雀をしていたときに勧められた漫画『アカギ』の、「血液を賭ける麻雀」というワードがおもしろすぎたので読んでみた。

『アカギ』は、自分の生死に興味のない博打の天才、赤木しげるが麻雀に目覚め、その才覚で裏社会を食い荒らすというお話。どちらかが破滅するまでレートを上げて勝負するアカギの戦い方、というか生き方は、恐ろしくもあるし、それ以上に羨ましくもあった。闇に舞い降りた天才だなんて呼ばれているけど、アカギ自身は博打やら才能やら金やら他人の破滅やら、下手したら自分の身体さえ全然どうでもよくてただただ自分が自分らしく生きることを貫いている感じが私は羨ましいのかもしれない。

『アカギ』が面白かったので流れで『天 天和通りの快男児』も読んだ。この漫画は『アカギ』よりも前に連載されていた漫画で「天」という人物が一応主人公なのだけど、アカギも出てくる。アカギは既に45歳くらいで、麻雀界では「神域の男」なんて呼ばれている人物として描かれる。この漫画の主人公ってアカギだっけ?と思うくらいアカギ推しで不思議な漫画だった。最後の3巻くらいはまるまるアカギ中心の話なのだけど、アカギの死生観が語られる場面があって、私はとても感銘を受けた。本質を見失わないで生きることがどれだけ難しいか、どれだけ価値があるか……。私の理想とする生き方に似ていて、でも私は全然そんな生き方できていないので、脳みそを揺さぶられた感覚だった。

鷲巣麻雀でアカギは初めて「生きたい」と思った、という描写があったけど、「生きたい」という感情が芽生えた状態でのアカギの戦いはこれまで描かれてこなかったので、今後アカギの人間性がどう変わるのかとても楽しみ。鷲巣麻雀があと3話で終わり、連載もあと1年で終わるらしいので、アカギの人生観がどう変わるのか、あるいは変わらないのか、興味深いので追いかけていきたいと思う。

という訳で『アカギ』と『天 天和通りの快男児』を読んで、福本伸行先生の心理描写はかなり痺れたので『カイジ』シリーズと『無頼伝 涯』と『賭博覇王伝 零』と『銀と金』を読んだ。お、おもしろい……。


話が脱線するけど、アカギとカイジはアニメ版も観た。どちらもすごく良い出来で、原作よりいいな、と思うところもたくさんあった。アカギは漫画よりも初心者にわかりやすく描かれていて、麻雀がわからなくても緊張感、絶望感が伝わるようにうまく表現されていた。カイジは鉄骨渡りの直前で全員に檄を飛ばすシーンが最高に良い。あと沼の前で2時間も3時間も座り込んで対策考えるの普通にすごい。

アカギは自分を貫くことだけを考えて生きていてただかっこいいけど、カイジは基本的に自堕落で覇気なし、ギャンブル中毒で救えないけど背水の陣になって初めて才能が引き出される感じ、ゴキブリみたいだなと思った。ゴキブリって死ぬ瞬間IQ160になるらしい。見習いたい。