7月に読んだ本

2015年やりたいことリスト100 の 14.月に2冊以上本を読む から。


羊たちの沈黙」の最初の物語。犯罪心理学の権威であり猟奇的食人鬼でもあるハンニバル・レクター博士と、レクター博士を逮捕した刑事グレアムとの、上下巻にわたる緊張感のある応酬がたまらない。ほとんどレクター博士が登場しないけれど、レクターなしでは成り立たない物語だった。
今作での悪役であるダラハイドの苦悩も、よく描かれていた。


冷凍睡眠(コールドスリープ)とタイムトラベルを合わせたSF作品。こう聞くとスケールが大きいような気もするけれど、冷凍睡眠も30年ほどだし、タイムトラベルもたいしたことはしてないのだけど、主人公ダンと飼い猫ピートのキャラクターがとてもよく、読み終わったあとの爽快感に感動した。


フィリピン戦線で結核に侵され、本隊を追放された田村一等兵。飢えと渇きに襲われ、自分の血を吸った蛭まで食べたあげく、友軍の死体に目を向ける……
極度の飢えの中、人肉を食べることに対して葛藤を続ける田村一等兵と、「俺が死んだら、食べてもいいよ」という仲間の最期の言葉。腐敗していく仲間の死体とは対照的に、神や天使を見る幻想的な描写が強く印象に残った。



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