卒業式で別れを惜しんで泣いてみたり、それぞれの道を歩む友との別れを泣いてみたり、恋の終わりを泣いてみたり、別れは哀しいものだとあなたたちは言うけど、哀しい別れなんて本当はないよ。どんなに親しくした仲間だって、どんなに愛した人間だって、何の前触れもなく余韻もなくプツンと切れてしまったら別れになんの感情も抱かない。別れが哀しいなんて、君は別れを楽しんでいるね、哀しくない別れを、私たちはちゃんと生み出せるのに。
ああ、あれはいい出会いだったな、素晴らしい仲間だったな、一生忘れられないほどに愛した人だったな、そんな美しい余韻はほとんどがスモッグで、意味のない感情だと思う。美しい記憶を作り出すのが人は本当に上手い。残酷なほど平凡な出会いや感情を、人は美化しないと成長できないから。


冬の夜、乾燥した空気と踏切の音はとてもよく私に染みてしまう。そんなとき私は澄み切ったレンズを見る。断続的な音と攻撃的な光の点滅は私を興奮させるには十分で、鋭い轟音は私を開放的な気分にしてくれる。

私は踏切が大好きだ、連想してしまう死や色や人生がたくさん詰まっている。生きたくなる。また。