王子さまと頭痛
1 ぼくが八歳のときに撤去されたジャングルジムを十年経った今でも夢に見る。心臓が騒がしくて眼を覚ますと四隅が濁るどろりと暗い部屋がぼくごと包んでいるので安心するのだった。いつものぼく、いつものぼくの部屋で重たい布団に寝返りさえ打てない日常。…
1 ぼくが八歳のときに撤去されたジャングルジムを十年経った今でも夢に見る。心臓が騒がしくて眼を覚ますと四隅が濁るどろりと暗い部屋がぼくごと包んでいるので安心するのだった。いつものぼく、いつものぼくの部屋で重たい布団に寝返りさえ打てない日常。…